キングオブコントを見て

とりあえず俺が今一番言いたいこと。完全にバナナマンファン視点のみの話なんだけど、なんで「宮沢さんとメシ」をやったの?っていう。正確に言うと「宮沢さんとメシ」を5分に縮めて違和感は無かったの?っていう。


元々のオリジナルバージョンが大好きな者としては、物凄い違和感があった訳ですよ。「あれ、こんなコントじゃなかったのになあ…」と。今回の5分バージョンの感想をネット上で拾ってみると「芸能人の名前を使っただけ」「宮沢りえというチョイスが微妙」「日村のキャラ押し」みたいな感想ばっかりで。おいおい、そうじゃなねーだろと言いたくなって。このコントの根底って「知らない人とメシ食うことになったけど、俺行って大丈夫なの?」っていうシチュエーション、その状況でどういうところに気を配るかっていう、実は割とリアルな話であって。だからすごくバナナマンらしいコントなんですよ。バナナマンのコントって、ベースがすごくリアルで、その上に日村と設楽ならではのキャラクターが乗っかるから、より面白い。一本目の「朝礼」なんかは正にそうだよね。全てのコントがそういうタイプではないけれど「宮沢さんとメシ」も、やっぱりそうだと思う。

「宮沢さんとメシ」のオリジナルバージョンは、携帯電話で会話しながら歩いている設楽と、コンビニで夕飯を買った日村がバッタリ出会い「おー!ちょっと待ってちょっと待って」というジェスチャーを設楽がして、日村は設楽の携帯電話の会話が終わるのを待つ、ところが設楽の会話は全然終わらない…っていうあの微妙な空気感をリアルに描くところから始まる。もうそこで完全に掴まれるんだよね。「この後何が起きるんだ?」と。そこでの溜めがあるから「宮沢りえとメシ」っていう展開がドカーンと弾ける訳で。あと宮沢りえっていうチョイス。これが、今一線級で活躍している人だったらリアルじゃない(まあこんなことはわざわざ書かなくてもわかると思うが)。でも、それもリアルな導入部があってこそ、な訳でさ。そこ無しでいきなり「宮沢りえとメシ食う」って言われると、凄くマンガ的っつーか。

もちろん違和感はその導入部だけじゃなくて、日村の演技も凄く過剰になっていた(これはまあ今回に限らず「bananaman kick」の時点で感じていたことではあるんだけど)。とにかくこのコントの持ち味が殆ど失われていたような気がした。

で、話を戻すと、今回このコントを見て前述のような感想を残した人は間違ってるかというと、間違ってない(さっき「おいおい、そうじゃねーだろ」って言ったけど、あれはその場の勢いです)。今回の5分バージョンはそういう風に見える仕上がりだったから。それはもう仕方ない。

バナナマンの二人はこのコントを5分に縮めたときに「あれ、これ何かおかしくね?」って気付かなかったのかなあ。もしくは周りのスタッフが「いや、これちょっと違うんじゃないすか?」って言わなかったのかなあ。凄く勝手な言い分だけど、そういうことを考えて俺はちょっと悲しくなってしまった。言い方悪いけど、自分たちのコントを改悪しちゃった訳じゃない?なんか普通に負けるより悲しくなったよ。

一本目のネタが終わった時点では、「これ、比べるには余りに違いすぎる二組だよなあ」と思ってた。バナナマンがリアルを根底にしたコントだったら、バッファは徹頭徹尾「漫画的」*1なコント。でも一本目はどっちもゲラゲラ笑わされて。どっちも逆のベクトルで、両方とも“キングオブコント”でいいだろ!くらいの。それが、バナナマンは二本目でちょっと「漫画」の方に寄ってしまった。そしたら俺は振り切れてる方が好きだなあ。俺だったらそっちに入れるなあ。だから俺はバッファの優勝には全く異論は無い。二本とも持ち味がフルに出てて最高だった。

と、一応優勝の話とかも書いたけど、個人的には「宮沢さんとメシ」が大好きなだけに、なんであんなことに?っていう思いが大きすぎて、どっちが優勝とか本当は割とどうでもよくて。繰り返しになるけど、どっちも面白いの知ってるし。な。

あ、「じゃあバナナマンは二本目に何やれば良かったの?」って聞かれると、それはすげー困るんですけど。申し訳ない、今のところその解答は頭に浮かんでない。ごめんなさいね、大人なのに。普通、大人は何が否定するときは代替案を用意すべきなんですが。そこは棚に上げて、とりあえず思ったことをばーっと書いている。他にも色々書きたいことあるんだけど、とりあえずこれだけ先に上げておく。

さっそく追記。大事なことを書き忘れていた。

「宮沢さんとメシ」のオリジナルバージョンはこちらで見れます。

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画像が出たから楽天にした。

*1:漫画ネタが多いということではないですよ