キュートン12@新宿シアターモリエール


生理用品に身を包んだ増谷キートン扮する“多い日も安心之助”が客席を闊歩するという凄まじいオープニングの茶番劇「キュートン忠臣蔵」、くまだまさしアホマイルド坂本のエロガキ2人による掛け合い「思春期」、アホマイルド高橋と椿鬼奴のポージング芸「ポスター撮影」、しんじの瞬発力ギャグに全てを賭ける「雑念」、椿鬼奴の歌心に聞き惚れる「鬼奴に乾杯!」、ゲロネタ12連発の「クソシマスプレゼント」、増谷キートンのペーソス溢れる世界観「22才の別れ」、キュートンメンバーによるクリスマスアトラクション・寸劇・そして大粒の雪(という名の白ブリーフ)を降らせた「クリスマスファンタジー」、という非常にバラエティに富んだ2時間強。


つーか、何だこれ。書き連ねてて、ちょっと呆れた。バラエティに富んでてもクソはクソですから。クソにも色々あるもんだ、と思った。


世間はM-1の決勝進出者に一喜一憂しているというのに、ここは一体何なんだ…と思っていたら、何と「雑念」の最中にしんじからM-1ネタが!『ポイズンお゛め゛でどおおお』という絶叫がシアターモリエールに響き渡る。前日のチュートリアルトークライブでは、女性客99%の客席から「おめでとー☆」と黄色い声が飛んでたっつーのに、何この落差。こんな所で(勝手に)汚れ役にされたポイズンに同情を禁じえない。


今日の発見。アホマイルド坂本のツッコミ・仕切り能力が意外に高い。普段の本ネタからは全く気づかなかった。というか、普段の本ネタにそれを活かせよ(笑)。あと椿鬼奴の和服・サンタ姿が意外に悪くないな、とか一瞬でも思ってしまった自分を激しく殴打したい。反省。


そして、かつてない斬新なキャラクター“コリアン★ボンバー”(アーミールックで韓国の文化を紹介して、ボンバー!と絶叫するという、常人では絶対思いつかないキャラクタ)に扮したカリカ林の誕生日を祝うサプライズイベントには感動。皆に愛される林将軍の人望の厚さを実感した。用意されたクリスマスケーキに、芸人らしく顔から突っ込む林。まあ、ケーキっつってもしんじの尻にクリーム塗りたくってイチゴ乗っけただけですけど。それはケーキではなくて、ケーキ風臀部です。


全体的に、下ネタをやっても、みんな「きゃー、やだー☆」とニヤニヤしながら見ているのだが、しんじが何かやる瞬間だけは本気の「ギャー!」という悲鳴が聞こえたのが印象深い。あの人だけ次元が違うな。あと最後のボーナストラック的コーナーでの、Bコース・羽生も別の次元。増谷キートンのような“悲哀と切なさが混じった奥深い下ネタ”とは違い、何のデコレーションも無く“訴えられたら完全に負ける”文句無しのセクハラ。最終的には「桑田、頑張れ」と思った。現実から目を逸らし、ルックスだけに注目してみました。


【演目】

お遊戯・キュートン忠臣蔵
思春期
セーラー服と機関銃」名場面再現ポスター撮影
雑念
鬼奴に乾杯!
クソシマスプレゼント〜カリカ林将軍バースデー
金星ダイヤモンドPV「土を掘る」
22才の別れ
キュートンクリスマスファンタジー
〜終演
クソシマスプレゼント(ゴミ箱編)