カリカpresentsレインボーアタック@ルミネtheよしもと


オープニングはカリカの漫才、と思いきや「よくある漫才内の再現コント」がいつの間にか公園内でのコントに。そのまま目まぐるしく場面は変わり続け、コントは続く。一本の長いコントと呼ぶにはストーリーがブツ切りすぎるが、オムニバスコントと呼ぶには一本一本の完成度が低い。オープニングの漫才がその場で映像ネタとして使われるという大技もあれば、リンクしているんだかしていないんだか微妙な糸1本レベルの繋がりも。群像劇と呼ぶには一人一人のドラマの掘り下げが浅すぎる。


といった感じの「いいんだか悪いんだか」のラインをゆらゆらと揺れ動く、妙に焦点の定まらないライブ。しかしそれ故に「この先どうなるんだ、これ」という不安感が逆に気持ち良かった。「ママチャリ剣道」という全く謎のスポーツをやったり、ポイズン吉田の母親に本当に電話したり、永井佑一郎がマッドカプセルマーケッツの「CRACK」に合わせて巨大な折鶴を破壊したり、現実と非現実の狭間を手探りで歩いていく。


そして最後、「さあレインボーアタック、皆様いかがですか?」というカリカ林による虹をテーマにした漫談が、成人式の市長挨拶に繋がった瞬間のカタルシスたるや。いやあ、凄かった。鳥肌立った。


去年の単独3daysが「モノクロアタック」で今回が「レインボーアタック」。出演者もカリカ2人からカリカ2人+7人の計9人に。白黒からカラーに色彩が増えて表現が豊かになるのかと思いきや、逆に完成度が低くなっているというのが何ともおかしい。まあモノクロアタックは傑作選だったから、単純にそんな比較は出来ないのだけれど。モノクロアタックが芸術的価値のある水墨画なら、レインボーアタックは文化祭の看板をワイワイとみんなで塗りたくっている感じだ。


しかし、まさかこんな形のライブとは思っていなかったのでいい意味で裏切られた。そういう点でも、物凄くカリカらしかった。賛否両論のライブかと思われるが個人的には「賛」。次回も見る。