ダイナマイト関西R@ルミネtheよしもと


通常のダイナマイト関西とは若干ルールの違う新イベント。通常5ポイント持ち(ロストポイント制)・試合時間10分だが、Rでは3ポイント持ち・試合時間8分。ロストポイント制は同様。

お〜い!久馬ザ・プラン9) vs 高橋茂雄(サバンナ)

最初のポイント移動がまさかの久馬自爆という波乱の幕開け。更に高橋のポイント奪取で早くもリーチがかかるという、新ルールの効果が早くも出るという展開。余りに出来すぎていたので演出かと思ったくらいだ。しかしその後は紹介VTRで「爆笑か失笑か」と言われていた通りに、失笑を繰り返す高橋を着実に追い上げて久馬が逆転勝利。

藤田憲右トータルテンボス) vs 中山功太

出演者リストにその名前を見た瞬間に「どう考えてもD関向きじゃないだろう」と思った藤田が期待通りの(逆)大活躍。まさかの「後付け・顔芸・パクリ」と、いわゆる「ダイナマイト関西におけるタブー」を全てこなすという荒行を達成。笑いは起きたが当然ポイントは動かず。記録上は0−3の一方的な試合だったが、確実に観客の記憶には残った一戦。「あのアフロ、ひでーな…」と。

福徳秀介ジャルジャル) vs ヤナギブソンザ・プラン9

解説席の藤田、ここでもナチュラルボーンに悪意の無い発言で爆笑をかっさらう。
「(今試合をしている)お二人とも凄いですね。僕だったら確実にヤラれてます」 いや、誰が相手でも勝てない気が。
「相手の回答からヒントを得たりしますよね」 それは駄目。
「答えをまとめるのは難しいですよね。あとは手を挙げる勇気が…」 答える以前の問題だよ。
あ、肝心の試合の方は「2007年、ヤクザ業界で大人気の携帯ストラップとは?」という問題で、福徳が『2007という形をしたメガネ』と答えて壮絶に自爆したことしか覚えてない。ストラップだ、っつってんのに。

又吉直樹(ピース) vs 井本貴史ザ・ちゃらんぽらん

小兵同士の戦いながらも見応えのあった一戦。井本は紹介VTRにあった「キレ」が見られなかったのが残念。又吉は先週の若手大喜利で見た時も良かったけど、この日も絶好調。今回の新ルールでペースを乱した選手が多い中、自分のフォームを全く崩さずに長文の回答で着実にポイントを稼いでいたのが非常に印象的。正直この時点では優勝もあると思った。

大水洋介ラバーガール) vs お〜い!久馬ザ・プラン9

「17時にルミネに入ってから、まだ誰とも話せていません」と不安な面持ちを見せる大水に対して、解説席の飛永(ラバーガール)は「僕たちは両方とも大喜利が得意なんですよ」「彼は絵も凄い」と無駄にハードルを上げるナイスなセコンドっぷり。そのうえで、全くもって理解不能なイラストを見せ続ける大水がとにかく強烈。結局、一問目では文字を一つも書かずに終わるという恐ろしい事態に。レトリックに重きを置くラバーガールのコントとは全くもって対照的だ。かと思えば二問目はあっさりと文字ネタを解禁。いい意味でポリシー無し。終始自分のペースで試合を進めた大水が勝利。久馬は今回の新ルールが合わなかったのか、いつものキレが無かった。手数の多いタイプの久馬には向いているかと思ったが、自分のリズムで答えられなかったのが敗因か。

中山功太 vs マッスル坂井

マッスル坂井の重厚感溢れる見た目からは、全く想像のできない手数の多さに驚かされる。とにかく「答えたくて仕方ない」感が出ていた。そして、ド下ネタからいわゆる巧い回答まで、とにかく幅広い。これまた見た目と合わない。本日一番の盛り上がりを見せた「こんなRPGやりたくない!どんなタイトル?」での回答『ファイナルファンタジーダイジェスト』には笑った。解説席の冷静なツッコミ「FFDですね」にも参った。

家城啓之カリカ) vs ヤナギブソンザ・プラン9

キャッチフレーズが「まゆなし団長」、登場SEが平原綾香の「JUPITER」という時点で既に只ならぬ雰囲気を漂わせていた家城。後に「相方は出場していたのに自分は出たことが無かったということを気にしていた」と発言したように、ダイナマイト関西に対しての秘めたる情熱がこの日は大爆発。とにかく筆が止まらない。これ、比喩でも何でもなく本当に。回答を出した直後に、次の回答を書き始める家城の姿に場内がどよめく。お陰で解説席にいた中山功太は、前試合のコメントをしようとするが何度も「はい!」という挙手に遮られてなかなかオチに辿りつかず、最終的にはやや滑りという悲惨な目に。
「森の中で迷ったときにのみ現れる幻のレストラン。そこで注文を迷っているときのみ出てくる幻のメニューとは?」⇒『肉をきゅうりで叩いたもの』は物凄く家城っぽくて鳥肌が立った。

又吉直樹(ピース) vs 木村明浩(バッファロー吾郎

試合前「今日6月2日は本能寺の変が起きた日ということをさっき知って、少し得した気分です」とコメントした又吉に対して、「何が本能寺の変だ!今日をお前の命日にしてやるよ!」と吠える館長。しかし、後になって実は又吉は本日誕生日だということが発覚。よりによってそんな日に言われなくても。それが影響したのかわからないが、相変わらずハイアベレージな回答を繰り出すがポイントにつながらない又吉に対し、殆ど空振りの中で「泣きっ面に蜂を上回る状態は?」⇒『デザートに餃子』『甲子園の砂を拾っていたら中にサソリが…』の大ホームラン2本を放った館長がまさかの勝利。つーか、館長が勝ったの初めて見たよ!

大水洋介ラバーガール) vs マッスル坂井

まだ誰とも話せていない大水。大丈夫か。「マシュマロという文字を使って、ハードボイルドな文章」という問題で、タイムアップ寸前にただ「マシュマロ〜!」と叫んだ大水はたぶんハードボイルドの意味がわかっていない。ちなみにセコンドの飛永も「硬いボイルドですね」という半端な訳を披露するというボンクラっぷり。そんな中『郵便配達は二度マシュマロを鳴らす』という、やはり顔に似合わない回答を見せたマッスルが勝利。

家城啓之カリカ) vs 木村明浩(バッファロー吾郎

一問目「魅力的な“三つ巴”の関係を教えてください」が発表されたときに、一戦目では全く筆の止まらなかった家城が顔を歪ませる。それくらいの難問だった。しかし問題チェンジの際には「うぉあ〜!答えたかった…」と奇声を上げるのでした。一体どんな答え書いてたんだ。死ぬほど気になる。
「4コマ漫画の4コマ目にありそうな台詞」⇒『軍隊が来ちゃぁなあ〜』はこの日のベストアンサー。僕の脳内では完全に画:田河水泡。更に『巣?』『な〜んだ、カニの大群か』と畳みかける家城に向けた「多くのものに押し寄せられるオチが多いですね」という竹若の解説が素晴らしすぎる。

マッスル坂井 vs 家城啓之カリカ

マッスル坂井からの「カリカの座は頂く!」という唐突な申し出に対して、「決勝戦はキャラ変えます」という無駄な決意を見せる家城。噛み合ってねえ!しかし試合は手数の多いもの同士、がっぷり四つに組み合うという非常に真っ当な展開に。「R」の新ルールに最もフィットした二人が残ったという非常に納得の結果のような気がする。手数が多いのにハイアベレージな家城と、やや外しの回答もありつつ爆発力のあるマッスル、とタイプは違うが。
そして「デリケートな回答なんですが…」と前置きをした回答がコンマ0.5秒で続行判定を受けるという無駄足を踏みつつも、先にリーチをかけたのは何とマッスル坂井だったのだが、最後は家城が見事な逆転勝ち。しかし最後の回答は順番が逆だったら家城ノーポイント、マッスルポイント、という展開もあったかもしれない(3問目の1答目だったので「家城の回答も見てみたい」と審判が敢えてスルーしたという気がした)。それくらい伯仲した戦いだった。


家城はダイナマイト関西初出場にして、いきなりの優勝。とにかく筆の止まらないその姿は、見ているだけでゾクゾクくるものがあった。今年は漫才ライブで月に4本新ネタを書き、客演を招いてのコントライブが2回。その上、大喜利であれだけ答えが溢れてくるとは、一体どういう発想力をしてるんだ。これはやはり一番の特徴「眉毛が無い」ことに起因するのではないかと思う。目を閉じることによって他の感覚を研ぎ澄ませるように、敢えて眉毛を生やさないことによって、その力を得ているのではないか。と思ったけど、マッスル坂井の頭髪のボリュームを見て、あっさりとその説を取り下げます。