M−1直前!!厳選ネタ!!漫才の祭典!@ルミネtheよしもと


前売りの売れ行きはそんなに良くなかったはずだが、当日券は指定席売り切れ、きっちり立ち見まで出ていた。M-1予選の熱は冷めやらずといったところで、開場時間を前に「早く!早く漫才を見せろ!」と飢えた漫才ジャンキーどもがテレビ通りに溢れかえるという大狂乱っぷり。まあ、実際は4じ6じが押しまくって開場が遅れてただけですが。ほんこん班の新喜劇には「時間を守る」という概念が、全く無い。


M-1直前!」と銘打っただけあって、準決勝を控えたコンビはそれぞれに狙いが見えて面白い。勝負ネタを練り上げてくるコンビ・はたまた手の内を晒さずにいるコンビ。トータルテンボスは3回戦と同じ「誕生●●」で磐石の態勢にあると感じた。個人的には東京吉本代表の最有力に挙げたい。カリカも3回戦の時と同じネタで、果たしてこれ以上の上乗せが出来るかどうか。他の芸人と比べて、いい意味での違和感はあるんだけど。2回戦は「百人斬り」タイプの畳み掛ける漫才、3回戦は勝負ネタの「3文字ゲーム」をやったチーモンチョーチュウは、それらとはまた違うタイプの漫才を見せて、軽く滑る。これは手の内を隠したということにしておこう、うん。そしてライセンス、Bコースの10年目枠対決も見逃せない。ライセンスも良かったけど、個人的にはいかなる時も安定してクダラなくて、且つきっちりと笑いを取るBコースに期待したい。と思ったけど、Bコースはもう3回戦で落ちてました。おい。


で、こんな感じにM-1M-1!と、この時期だけうるさく騒ぎたてる嫌なタイプの客(代表例・俺)に対して、その横っ面を思いっきりひっぱたくような怒涛の漫才を見せたのがトリの中川家。その半分は、楽屋での与太話のようなアドリブによる脱線に次ぐ脱線。油断すると僅かな隙間に無理矢理詰め込まれるモノマネも外れ無し。まるで、一組だけ違う競技を見ているようだった。他の芸人の漫才が100メートル走であれば、中川家の漫才はハーフマラソンの最中に借り物競争をしているようなものである。ボリュームと脱線具合が半端じゃない。


ちなみに前述の通り、開演が押したのにも関わらずトリの中川家が始まったのは20:30過ぎ。一組が8〜10分で終わっていたことを考えると「おいおい、随分短いな」と思ったのだが、最終的に中川家のネタが終わったのは21時ギリギリだった。あれだけ滅茶苦茶やりながらも、きっちり帳尻合わせてくるとは。衝撃的である。時計見た瞬間「うわ、すっげえ…」と呟いてしまったじゃないか。こんなの見たら、もうM-1とかどうでもよくなるよなー。ええ、これが準決勝のチケットが取れていないことに対する強がりだということは言うまでもありません。