大喜利猿@よみうりホール

初鑑賞。今まで興味がありつつも足を運ばなかった理由は、まあ単純にチケットが取れなかった。それと書籍化されたものをパラパラとめくってみたら案外面白くなかった。あと、小林賢太郎およびラーメンズのライブに付随する、なーんかアレな感じにやっぱり抵抗があった。などなど。で、今回はキャパが大きかったのでちょっくら行ってみた。

感想。非常に面白かった。ただひたすら大喜利をするだけで、そこにはポイントも勝敗も何も無い。演出も全くといっていいほど無し。唯一、昼公演から地続きのちょっとした小ネタのオープニング映像はあったけれど、その映像が終わって二人が舞台に登場したその後は、何の前触れもなく問題が始まるという。自己紹介も無い。(ああ、ちょっと一見さん無視というか、客はリピーター前提みたいな入り方はある意味ラーメンズっぽいと思ったが、まあそんなに気にするほどではなかった) そういえば、解答する際は挙手ではなく「ウキッ!」という声をあげる(=猿だから)ことについても全く説明は無かったな(笑)

升野の解答はどれもこれも外れ無しの面白さ。ここは予想通りで、こちらの期待を裏切らない。じゃあ小林はどうだったかというと、こっちも面白かった。ただし解答よりも、ちょけっぷりが。そりゃもう、ビックリするくらいにちょけていた。ルール無視の(といっても別にルールなんて無いんだが)マイペースな振舞い*1、解答よりも前振りの演技に時間を割いたり、後乗せに全力を注いだり。俺のラーメンズ経験は本公演・GBL・ポツネンを一回ずつと、まあ大して見てないんですけど、その中で「小林賢太郎がちょける」というイメージは全く無かったんですよ。ネタ自体はよく構築されていると思う一方で、いい意味で「くっだらねえなあ!」と言いたくなるノリは確かにあった。でも小林賢太郎という人が、自分のやることに対してその場でゲラゲラ笑っちゃうような雰囲気は全く予想していなかった。つまり、升野とは逆でこちらには予想外の面白さがあった。これは書籍で(まあ立ち読みですけど)読んだときには全くわからなかった点なので、今回生で見て良かったなと思えた。

ただ、最初に書いたような「ラーメンズのライブに付随する何かアレな感じ」は、やっぱりどこにでもついて回るもんだなー、とも思った。小林のちょけ具合に対して、何かこう保護者的な、そういう視線や反応があるよなあ…(と感じたのは、もちろん俺のラーメンズフィルターがある程度かかった結果ですけど) でもって、それを計算した上でちょけてんのかなあ、ちくしょうやっぱりムカつくなあ(笑)とか。

そんな小林のちょけっぷりは、升野のある意味「正解」と言える名解答があるからこそ映えている。いいバランスだと思う。最初に「ただひたすら大喜利をするだけ」と書いたけど、「二人でアドリブの大喜利コントを作っている」という見方もできる。ポイントも勝敗も無いからこそ、ただ面白いことをするために二人が手を組むこともある。『言葉のキャッチボール』『知らない言葉を教える』なんて正にそう。

大喜利ライブなのにカーテンコールがあったのも、いかにもラーメンズノリとも言えるけど巨大な一本のコントと考えれば、まあ納得か。そして、今日使った解答フリップをそのまま流用した、あの大オチの流れには正直痺れた。その最後の最後の名解答を出した升野を見て、小林が本気でゲラゲラ笑っていたのが凄く印象深い。いいライブでした。また見たい。

*1:「ロボット転校生〜」のお題で、お題に答えずに升野と雑談ノリで話を展開していく辺りとか