R-1ぐらんぷり2008


個人的採点では

世界のナベアツ>>なだぎ武鳥居みゆき芋洗坂係長土肥ポン太あべこうじ>>中山功太COWCOW山田よし

かな。見ながら付けた点数を元にするとこうなります。以下、下位から順に振り返る。


山田よし、ツカミも無くいきなり本ネタに入ってそのまますーっと行った。行っただけ、という印象。緊張してたなあ。五郎さんがあんな早口じゃダメだろう。「りんごかな?」であからさまに失速。80

功太、ネタ前のコメント「受かるために頑張ってきた」。あべちゃんとモチベーションが違いすぎる。その通りに「対義語」は及第点はあげられるネタだが、優勝を狙えるネタではない。それにしても、ここも早口だなあ。緊張しているのが伝わってくる。いいフレーズが出てきてもフォローが早口すぎて、ちょっとだけ損してる。伏線を張ったネタがことごとく外れたのも、そこが原因じゃないか?結局「DJモンブラン」と同じく、笑いが断続的だった。正直、爪跡を残すという意味では思いっきりブラックなコントをやった方が良かったんじゃないかと思う。85

この2組はとにかく緊張してたという印象が残った。


あべこうじ。早口だけど、これはもちろん緊張ではない。相変わらずの素晴らしいスピード感。話芸で勝負するピン芸人のプライドを見せつける。しかし!惜しいかな、不思議の国のアリスの下りが全くハマらなかった。結果、全体的にはやや滑り。最高到達点という意味では功太の方が上だった気がするけど、技術点はこっちかなあという感じで。89

結局、2006年のウインナー漫談を越えることが出来なかった。それこそあのネタは笑い飯でいうところの「奈良県立歴史民俗博物館」みたいなものになるんじゃないかなあ…


土肥ポン太、いい意味で全部くっだらねえ!(笑)戦いとしては損な順番だったけど、個人的には最後がこれで良かったなーという。デザート的な。なんて言ったら失礼かもしれないが。90

芋洗坂係長は全くの初見。あはははは、これは確かに楽しい!(笑)事前番組でナベアツが言っていた意味がよくわかる。これは何も考えずに笑える。でもこれは採点が難しい。ベタなように見えるけど、その実は『素人な訳がないのに本当に「ちょっと面白い係長」に見える』という一種のメタ芸。個人的には「人事課」の下りはワンコーラスで良かった。2コーラス目に行って、ちょっと間延びした。90


鳥居みゆき。一瞬でも素が見えたら負け、というある意味一番緊張感のあった時間。そして最後まで狂気を演じきった。やー、凄いわ。でもってネタの構成も実はしっかりしている。ただ好き勝手やっているように見えて、実は飽きさせないようにタイプの異なるネタを揃えている。92

でも、ああやって点数つけるとしたら6位くらいになっちゃうよね。どうしても保守的な採点になるだろうし。

なだぎはオーソドックスな一人コント。ファミコン世代にはどストライクなネタ満載。逆に若い人にはどう映ったんだろう?去年のディランに比べると、あえて薄めのキャラで勝負してきた感じがした。フレーズと動きで笑わせる。「この男コメディアンにつき」というキャッチフレーズはピッタリだ。92

ナベアツ。先日の日本公演でも「既に飽きられている感じがする」と自己分析していた「3の倍数」ネタで勝負。確かにこの1年で予想以上に消費されたネタだけど、その浸透度を逆に利用したようにも思えた発展形。QUICK JAPANで「構成力が凄い」と評されていたのは確かにそうだけど、それ以上にやっぱりこれは発想力が凄いと思う。というかアホ。この1年で慣れてしまったから皆忘れかけてるかもしれないが、このネタを初めて見たときのことを思い出してほしい(笑)。いやー、このネタやっぱり相当にアホだよ。95


なだぎは面白かったけど、優勝かと言われるとなあ…目新しさは何も無かったよね。発想力・構成力ともにナベアツがダントツだったと思う。まあ、あの審査員ではこの結果も致し方ない。ナベアツのネタですら「どう採点すればいいかわからない」とか言ってしまう太平サブローは特に酷い。去年のバカリズムのネタも全く理解できていなかったしね。鳥居みゆきに何点付けたかが異常に気になる。

そして生放送にしたせいか、せわしなさだけが感じられる構成だった。うーん。去年までの「バラエティの延長線上」だったら録画でいいと思うし、M-1と同じガチンコにしたいんであればルールも審査員も変えなくてはいけない。現状の一発勝負だと審査員の点数を全部発表できないという弊害がある。出演者それぞれのコメントも、もうちょっと聞きたかった。特にナベアツには「3位」のコメントを聞くべきだった。

あー、あと気になったのは客席。M-1のような重い空気ではなく、良く言えば温かい雰囲気だったが、悪く言うと『検索ちゃんネタ祭り』と同じ客層。頼むからコントの展開に「えー」とか言わないでください。