M-1グランプリ2007準決勝@ルミネtheよしもと


2004年以来、ということは3年振りか。見てきました。準決勝はやっぱり独特の雰囲気がある。正直「ちょっと客が重いか?」と思った。大きく滑る芸人は居ないけど、皆が爆笑を取っていく訳ではない。3回戦ではドッカンドッカン爆笑を取っていたネタが平凡なウケ具合に終わる。怖いなあ、ここ。


そんな訳で個人的に気になったのは「誰が最初に、この場に火を点けるのか?」という点。ですので、以下ネタ披露順に追っていく。


先に結論だけ言っておくと、確定と言えるのはトータルテンボスくらい。あとは全くわからない。スピードワゴンは落ちたと思う。

ザ☆健康ボーイズ、ナイツ、オードリー、ラフ・コントロールマシンガンズ


…いきなり健康ボーイズかよ!(笑) や、正直一番楽しみだったと言っても過言ではない、こともないな、それは過言でした。いやー、しょうもなかった。やりすぎコージーのまんまで。最高。でも会場に火を点けるほどではなし。


このブロックはナイツ、オードリー、マシンガンズという今回ダークホース的に期待されている組が勢ぞろい。誰が先に抜け出すのか?と思ったが、3組とも決め手に欠けた印象。個人的にはナイツのツッコミの「笑いが後を引く」感じがツボ。あとラフコンがまさかのショートコントネタで、お前らこのネタどんだけ好きなんだよと思った。去年の3回戦で華々しく散ったネタじゃないか(笑)。

アームストロング、ハイキングウォーキングブレーメンオリエンタルラジオ、ハリセンボン


ハイキングウォーキングは前半の喋りが非常にテンポ良くて、ぐっと惹きつけられる。いつもは余計な一言が気になる松田のツッコミもシンプルで良かった。が、後半はまんまコントのネタで失速。勿体無い。期待がかかるブレーメンは3回戦と同じネタで不発。俺、3回戦見終わってから2回戦のネタをYouTubeで見たんだけど、3回戦では2回戦で滑ったフレーズを全部外してきっちりチューンアップしてたんですよ。「おお、凄いなあ」なんて思ってたんだけど、その滑ったフレーズが今回全部戻されてた。意味ねぇ! 1分間の使い方が抜群(に下手)。


オリエンタルラジオは3回戦の方が良かった。途中でラップが入るような、リズムのあるネタをやると結局「武勇伝」の亜流にしか見えないんだよね。これはある意味不運というか、有名税というか。ここでも火が点かないかあ…とモヤモヤする場をドカンと沸かせたのがハリセンボン。ここでようやくですよ。ここはもう漫才が上手いとかじゃなくて、定着したキャラだったり醸し出す雰囲気だったりがウケてた気もするんだけど、それもコンビの持っている地力。面白かった。

パンクブーブーえんにちカナリアキャン×キャンザ・パンチザブングル


キャン×キャンは何が悪かったという訳ではないんだけど、何かリズムが悪いというか一個ボタンをかけ違えたような印象。決定打が無いまま終わってしまった。惜しいなあ。ザ・パンチは「死んで〜」というフレーズをあからさまに封印してしまったのが残念。確かにそれじゃ決勝には行けないんだろうけど。ザブングルはコントに入らないタイプのネタ。意外にアリかもしれない。

サンドウィッチマン、三拍子、磁石、ジパング上陸作戦タイムマシーン3号チーモンチョーチュウ


ハリセンボンの次に爆発したのはサンドウィッチマン。「結婚式のスピーチ」なんて、割とありふれたネタだと思うけどとにかくボケの手数が多い。そして外さないツッコミ。この日1,2を争うくらいのウケ具合。ウケだけで判断するのであれば、ここが合格しないのは嘘だわ。三拍子は相変わらずスピードを上げすぎて客を置いてきぼりにする瞬間がたまに。磁石は3回戦で大オチに持ってきたボケを序盤で見せて、そこからどう盛り上げるか!と思いきや意外に伸びず。ジパングはせっかく追加合格で上げてもらったのに、相変わらず構成も何も無いチャドのキャラ垂れ流しの漫才で、「こんなんだったら他のコンビ上げとけよ…」と思ったり思わなかったり。


タイムマシーン3号ガリガリ君のネタ。これ凄く面白いと思うんだけどなあ。ここもコントに入らないタイプのネタの方が面白くなってきた。個人的には今日イチ。ただ上に上がるかはわからない。チーモンチョーチュウが完全に勝負を捨ててるとしか思えないド下ネタで、ある意味清々しかった。この人たちはこれからどこに向かっていくんだろうか?白井は、チュートリアル徳井ともまた違う未知の変態の領域に片足踏み込んでる気がする。

超新塾東京ダイナマイトトータルテンボス、流れ星、髭男爵スピードワゴン


東京ダイナマイトはまさかの時事ネタ。ちなみに前日の漫才ライブでは、ハチミツがカンペをちらちらと見ながらだらだらと一年を振り返っており、それを見て「あー、今日ってM-1の調整用じゃないのか。結局明日は何をするんだろう」と思った自分としては二重の驚きだった。たった一日でここまで絞ってくるとは!という。ぶっちゃけ前日にウケたフレーズを集めただけの気もするが(笑)これはこれで凄いなあ。固有名詞出まくりだし、これをそのまま決勝でやるとは思わないけど、このチャレンジ精神は買ってほしいところ。


トータルテンボスは盤石。この日の決勝確定は、とりあえずここだけ。


スピードワゴンは「指相撲」。ウケは普通。そりゃそうだ。みんな多かれ少なかれ見たことあるネタだと思う。鮮度っていう意味ではもう全然ダメですよ。1回戦は新ネタの「チャコの海岸物語」だったものの、その後は結局旧ネタ押し。うーん、どっちがいいのか判断に悩むけど…どうせ負けるなら新ネタで勝負してほしかったというのが素直な思い。あと旧ネタだったら「探偵物語」だろー、という気も。この辺は気が向いたら後述します。とりあえず決勝は無いだろうなと思う。これで上がれるんだったら2004年に何で落とされたんだっていう話になる。

平成ノブシコブシPOISON GIRL BAND、BODY、U字工事、我が家、ピース


トータルテンボスがこの日のピークだったのか、徐々に尻すぼみな展開に。ポイズンは「ネタの選択ミスさえしなければ決勝確定」と書いたけど、今回間違ったんじゃないか?(笑)一回一回の振りが長いし、笑いが途切れ途切れだったような。あと、個人的に思うのはポイズンはネタ中に動かない方がいいと思う。というか、大きく動くネタは何かやらかしてるイメージがある。


BODYは3回戦と同じネタだったのが、不発。これも何が悪かったって言えないんだけど、ただ空気が合わなかったという風にしか言えない。これも一応後述するネタはあるんだけど。



だらだらと書きましたが、最初に書いた通り合格と確実に言えるのはトータルテンボスくらい。あとはウケでいったらサンドウィッチマン東京ダイナマイトもウケてたし、試みを買うなら合格もアリだけど、そうするとサンドウィッチマンと被るんだよなあと無駄な心配もしてみる。変な話、サンドウィッチマンがあそこまでウケていなかったら東京ダイナマイト確定くらいの気持ちなんだけど。あとウケでいえばハリセンボンだけど、このタイミングでわざわざ上げなくてもいいよなあ、というこれまた無駄な心配をする。個人的に好きだったのはタイムマシーン3号スピードワゴンは無いだろうね。残念。